~なんか漠然とした不安がいつも頭の隅にある~
私は”児童思春期外来”に勤務している。クリニック受診の最初の入り口:インテーク面接をしていて、保護者からこの言葉を聞くことが多い。こういうのは大体、「その正体(特性)が何なのか分からない」「どうしてこうなってしまうのか分からない。理解できない」「この状態がどう進んでいくのか分からない」などなど、「不安」が起因していることが多い。この背景には「理解できないから怖い」があると思う。
子供の成長は予測不能な部分も多い。特に何かトラブルが起きた時は「どうなるか分からない」「いつ落ち着くのか分からない」から不安だし、怖い。この状態の背景もわからなければ、見通しがつかない。まして外部機関等が絡むとあおられて母の不安は増強する。悩み続けると取りつかれたように周りが見えなくなっていく。
実は「不安」は起こりうる危険に対して生じる感情で、危機的な状況から自分を守るために欠かせないもの(ある意味、生きながらえるための生存機能の一つ)である。そして不安の感情は体の内側の”不快な感覚”から起こる。
”不快な感覚”とは自律神経の予測がつかない状態であるとも言える。
人は本来、誰でも「安心感」を得るための土台を神経に育んでいく必要がある。この土台があるからこそ、人と楽しくおしゃべりしたり、仕事を楽しんだり、趣味を楽しんだり、体を健やかに保っていくことができる。この「安心」が足りていないと、漠然とした不安-自律神経の予測がつかない状態に支配されていくようになっていく。
安心感がある状態を知っている事こそ、不安の解消への近道となる。今の自分がどの位置にいて、何が起きているのか?そして本当はどうしていきたいか?「安心できる場」を確保しつつ自分を眺めてみることをお勧めしたい。安心できる場の景色、匂い、触感なんでもいい。「いつでもここに戻れる」安心感を横において、悩みの本髄を探ったり、専門家に聞いたりしてほしい。一人で悩んでいるとドツボにはまる。ぜひ、頼れる人も作ってほしい。
参考文献:浅井 咲子「安心のタネ」大和出版 スタンレー・ローゼンバーグ「からだのためのポリヴエーガル理論」春秋社
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